未来にのぞむ3領域

未来にのぞむ3領域

環境配慮設計(ZEB)。コンピューテーショナルデザイン。電気設計(照明計画)。
「設計×テクノロジー」で未来を切り拓いていく松田平田設計が注目する最先端の3領域をご紹介します。

環境配慮設計ZEB

省エネ技術の積み重ねでかなえる究極のエコ建築。

ZEBとは「Net Zero Energy Building」の略のこと。人や環境に負荷をかけない技術や設備を用いることで、省エネルギーを極めた建物のことです。ZEB認定されるには、敷地内で「生産されたエネルギー」が「消費されるエネルギー」と同等かそれ以上になることが条件で、完全なZEBだけでなく、条件を75%達成した「Nearly ZEB」、50%以上達成した「ZEB Ready」の3段階のレベルがあります。現在、当社が手がけている開成町役場はNearly ZEBに該当します。

この役場には大勢の人が訪れるため、刻々と室温などが変化します。そのため難易度は高かったものの、さまざまなアイデアを盛り込むことで目標を達成しました。たとえば豊富な地下水を庁舎の基礎部の水槽に引き込んで地熱で冷やしたり暖めたりして、壁の中を循環させる。これによって空調に使うエネルギーが大幅にセーブできます。

この役場は、全国でも初めてZEB認定を獲得した庁舎であると同時に、環境配慮技術の粋を結集した、当社としても初となるZEBの事例です。チームメンバーがそれぞれの知見を持ち寄っただけでなく、私も兼務で所属する「Far & Fine Center」という部署にも新技術導入の相談に乗ってもらいました。社内だけではありません。早稲田大学田辺新一研究室にはシミュレーションを含めたZEB全般についての、東北大学小林光研究室からはADS(Anidolic Daylight System)という「鏡面を利用して昼光を室内に取り込む手法」についてのアドバイスをいただきました。建築では新しい技術や知識は、文字通り武器です。こうして難しい案件でZEBを達成できたのも、多くの専門知識を集められてこそです。

環境設計部
臼杵 章浩

電気設計照明計画

あらゆる建物に、命を吹き込む仕事です。

どんなに優れた建物も、電気がなければただの箱です。文字通り建物にとって生命線ともいえる電気の制御を一手に担うのが、電気設計部の役割になります。何より大切なのは24時間365日、常に電気を安定供給すること。病院やデータセンターといった施設では、停電どころか一瞬の電圧低下さえも命取りです。UPSと発電機を組み合わせるなど何重にも策を講じて、あらゆる不測の自体に備えます。責任重大ですが、その分やりがいも大きな仕事です。

縁の下の力持ちのように見えますが、目に見えて華やかな仕事を手がけることもあります。たとえば建物を彩る照明設備。特に横浜の日産スタジアムのような競技場のナイター設備は私たちの十八番です。これら施設では「オリンピック放送機構による水準」を満足させる世界最高峰の照明が求められます。技術者として、これほど腕が鳴る仕事はありません。ほかだとボートレース下関、ボートレース大村のナイター照明も手がけました。水面の反射なども計算しなければならないハイレベルな仕事です。このときは3DCGを駆使してシミュレーションを行った上で、ドローンを飛ばして上空からも明るさをチェック。その上で選手に何度も試走してもらい、最終的には職人の手作業でライトを微調整して完成へとこぎ着けました。

最先端の技術から職人技まで、幅広い手段や知識を手にしないと務まらないのが松田平田の電気設計です。ここでは常に貪欲に学び続ける姿勢が求められますが、新しいことに挑戦し続けたい好奇心旺盛な人間にとって、これほど面白い仕事はないと思います。

環境設計部
林 宗寿

コンピューテーショナルデザイン

新たな分野だからこそ、無限の可能性を秘めている。

コンピューテーショナルデザインとは、コンピュータープログラムを活用した新しい技術で、プログラム内でスピーディに試行を繰り返し、最適な空間構成のほか、必要となる部材などを導き出す手法のことです。当社がこれを利用したケースを上げると、ひとつには映画館。全利用者が快適に映画を楽しめるよう、最適な客席の段数と高さを導き出しました。ほかだと同形の部材を組み合わせて形づくる体育施設のプロジェクト。最適な部材の形状を導きだすのに活用しました。

これまでにも手描きの設計図をCADで清書するなど、コンピューターは使ってきましたが、それとは別物です。最初にプログラムさえ組んでおけば、たとえ条件が変わっても、すぐに最適解が得られます。これまで時間をかけてきた手作業がなくなれば、設計者はより多くの時間をクリエイティブなプロセスに充てられるようになるのが利点です。

コンピューテーショナルデザインは、これからどんどん発展していく技術です。言い方を変えれば、今この分野に興味を持って取り組んだ人が先駆者になれる可能性を秘めています。また多くのプロジェクトに採り入れられれば、技術の発展も加速するはず。その点では、社内コミュニケーションが活発な当社には大きなアドバンテージがあります。当社はこの技術を世界へと輸出していく先駆けになることを目標としています。

テクニカルデザインセンター
菊野 格
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