神田外語大学8号館
PEOPLE |2018.11.25

日本最大級のラーニングコモンズで、
かつてない自立学習のコミュニティを。

「KUIS 8(クイス・エイト)」の愛称で親しまれる神田外語大学8号館。
同大学が誇る自立学習施設「SALC(サルク=Self-Access Learning Center)」の次世代版です。
KUIS 8の利用者をはじめ、関係者の声から、本施設の魅力を浮き彫りにします。

この居心地が良い空間で、自習をする学生が急増している。

もともと芝グラウンドだったこの場所に、魅力的なKUIS 8が建ったことで、本学のにぎわいの中心がここに変わりました。毎日この施設には多くの学生が訪れます。以前のSALCはもっと真面目でシンプルな佇まいだったのに対して、ここは見ての通りもっとフレンドリー。誰もが気軽に足を踏み入れられる良さがあります。

私自身はSALCのカウンタースタッフも担っているため、授業の空き時間はいつもここで過ごしています。ひとつの建物内に色々な空間があって、気分に合わせて居場所を選べるのが嬉しいですね。集中して自習するのか、気軽に英会話を楽しむのか。何をするかによって居場所を選べるのは贅沢なことだと思います。私が最も気に入っているのは、2階にある英語オンリーのEnglish Loungeです。

8号館は、新たなシンボル。
今ではここが本学の
にぎわいの中心です。

神田外語大学 英米語学科3年
山根千香さん


週4回足を運ぶなかで、TOEFLのスコアが1年で70点アップした。

図書館のような場所も集中するには良いのかもしれませんが、私は少し日常音がある空間のほうが集中しやすいタイプ。私と同じように英語力を高めたいと思っている人とも出会えますし、そういった人たちと刺激し合いながらモチベーションを維持できるのも良いですね。

言うまでもなく、ここに来ることで英語を使う頻度は急増しました。結果的に、この一年だけでTOEFLのスコアは70点もアップしたほどです。現在の目標は英検一級に合格すること。これを1年以内に達成するつもりです。



学生同士が自発的に教え合う
学習コミュニティが生まれている。

神田外語大学 セルフアクセスラーニングセンター ディレクター
ジョアン・マイナード教授


街角のようなにぎわいが、自主的な会話へと誘う

毎日1000人以上の学生が自主的に学ぶKUIS 8は「ソーシャルラーニングコミュニティ」です。教員やラーニングアドバイザー主催のワークショップはもちろん、学生が主体となって開催する語学学習に関するイベントが毎日のようにあります。以前のSALCでもワークショップやイベントはありましたが、KUIS 8には各種アクティビティに適した場所がたくさんあることから、学生たちの自主的な学びが急増しています。

洋画から英語を学んだり、授業前のリサーチをしたり、英会話を楽しんだり、学生同士の学習コミュニティを生み出したりと、学生たちは思い思いに利用しています。勉強机、カフェテリア、ラウンジ、イベントスペースがミックスされたここでは、静かに過ごす必要はありません。実際、街中にいるように適度に騒がしいほうが英語を話したくなることも狙い通りです。

ここまで大規模なラーニングコモンズは日本だと珍しい。

一方、学習計画をアドバイザーと話すなら静かなAdvising Spacesへ。語学学習においてのあらゆる用途に適したスペースが揃っています。この場所の主役はあくまで学生たちです。彼らがここをどう使いたいかが重要で、それに柔軟にフィットするのはKUIS 8ならでは。世界的にみても指折りのスケールを誇るこのラーニングコモンズができたことで、学生たちの学習姿勢は明らかに変わりました。たくさんの学生たちが自主的に学ぶようになったことが、何よりの収穫です。


記憶に残るキャンパスがあってこそ、
最高の教育は完成する。

神田外語大学 総務部 担当
座間唯正さん


親御さんが、安心してご子息、ご息女をあずけられるキャンパスに。

発注側の担当者として私が考えたことは「こんな魅力的な大学に、子どもを通わせたい」と学生の親御さんに感じてもらえる建物にすることです。優れた人間は、優れた場所で育まれます。優れた場所があれば、優れた人間が集まってきます。そういったことを企画時には考えました。

実際、本学を選んでくださった理由を親御さんにお尋ねすると「7号館と8号館が印象的だったから」という声がよく聞こえてきます。「建物なんて、人が入ればなんでも良い」と考える人もいるでしょうけど、私たちはそうは思いません。優れた施設は飽きないし、学生たちもていねいに扱います。もっと言うと、ていねいに使う人たちは、ていねいな人間に育つはずです。

教育機関はもちろん、異業種からも注目されている。

KUIS 8を参考にして同じようなこと、あるいはここを超えるような施設の建設を計画する学校も増えました。ここには大学だけではなく、金融機関など異業種からの視察も増えています。もちろん参考にしていただいても、すべてを真似することはできないとは思いますけどね。



五感を通じて学べる、
街角さながらの空間を大屋根のもとに。

松田平田設計 設計チーム


大学とは2年以上に渡り、議論をし尽くした。

神田外語大学を語る上で欠かせないのが「SALC」です。これは他大学にも提供されるほど評判の自立学習に関する施設。同大学が改めてこの領域で先進性をアピールするためにも「他の追随を許さないラーニングコモンズを」という相談があったことから、本プロジェクトは幕を開けました。

私たち建築士を交えての定期的な企画ミーティングは、2年間にも及びました。その過程で徐々に定まっていったコンセプトは「教員のサポートを受けながら、学生自らが英語を学ぶ空間」かつ「街角さながらの空間で、五感を通じて英語を楽しむ」というものです。そこで自立学習のサイクル「学習」「実践・発表」「教員からのサポート」の3つを、この施設が有する3つの機能としてパッケージしました。

学びへと誘う街中空間を、大屋根のもとに。

「街角さながらの環境で」と申し上げた通り、ここは室内にいながら街中にいるような感覚が得られる大空間です。中央から左側を「静の空間」、右側を「動の空間」に分け、静の空間にはひとりや少人数が静かに学ぶスペースを、動の空間にはカフェやワークスペース、プレゼンテーションスペースといった会話をともなう学習に適したスペースを配しました。学生たちは緩やかに仕切られた多様なスペースから「誰と何を学ぶか」によって最適な場を選びます。これによってラーニングコミュニティの形成が促進されます。

街角をイメージさせるインテリアも、スペースによってさまざま。建物自体はこの先何十年も残るでしょうけど、学習プログラムなどが変化するのに伴い、インテリアは変わっていくことを前提としています。変わらないのは街中にいるようなフィーリングと、五感を駆使して学ぶアトリウム空間であること。外部とつながっているように感じられる空間にするためにも、全面をガラス張りにし、空のように映る大屋根を60メーターの無柱空間を設けました。これも「街角で英語を学ぶ」というコンセプトに則った設計です。

インテリアが変化しても、街中空間であることは維持される。

照明についても、街中にいるようなイメージで。建物にある庇(ひさし)で受けた太陽光を反射させて天井を明るくすることで空間全体を照らす設計です。さながら天井がフワッとした明かりを放つ間接照明になる、と。これは太陽光と同じ性質の光ですので、こういった照明であれば建物内の設えが変わっても、街中にいるような状態は維持されます。

今後、時が経つにつれて内装はガラッと変わっていくことでしょう。人気のあるエリアは維持され、人気のないエリアは徐々に変えていく。これが企画当初からの方針ですので、私自身もどう変わるのか楽しみです。だからこそインテリア以外の部分で、照明、空調、音響などを維持できるようにしたことが、本プロジェクトのポイントのひとつにもなっています。



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