プラウド白金長者丸

東京都品川区

結界性と開口部のデザイン/住宅の付加価値

目黒と恵比寿の間に位置する「白金長者丸」と呼ばれるエリアにおいて、山手線等が行き交う線路際にたつ低層の集合住宅である。線路に向かう間口の広いファサードは、開口部を最小限とし、住戸の音環境とプライバシーを守る結界性を持ちつつ、深い抱きを演出する形状とコンクリートの素材を活かしたテクスチャにより、街との接続を試みた。
前面道路の高低差を利用し、1階と地下1階それぞれにエントランスのある利便性の高いアクセスを実現。地下部分はメゾネット住戸や共用ラウンジ、バイシクルトランクとして活用した。メゾネット住戸下階の玄関土間は、居室利用が可能な「エントランススタジオ」として広く設え、趣味やギャラリースペース等、居住者が自由に使える空間とした。地上住戸においても、通常はバルコニーとする部分を内部化し住宅用ガス乾燥機を設置した「コンサバトリールーム」を、内外の中間領域として設えた。居住環境の面では、床吹き出し空調による住戸内全館空調方式を採用し、低炭素建築物認定も取得。快適性と環境配慮を両立する設備計画とした。
一般的には不利とされる敷地条件の中で、従来の間取りに加え多様な住まい方を誘発し受け入れる、〈+α〉の付加価値を提供する仕掛けにより、都心の住まい方へのひとつの解を示した住宅となった。

構造/規模
RC造/地下1階、地上3階
竣工年月
2023年1月
受賞歴
  • 2023 グッドデザイン賞
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